サイドワインダー   さいどわいんだー   

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1953年に標的撃墜テストが成功した米海軍が開発した空対空ミサイルAIM-9の名称で、エンジンノズルから出る高熱ガスの赤外線を追尾する方式だった。1958年の台中紛争でAIM-9Bが空対空ミサイルとしては史上初めて実戦に使われた。84年から航空自衛隊も導入した赤外線誘導式ミサイルでF-4EJではAIM-9Pを使用していた。現在は赤外線感知能力が向上しており、機体が飛行中にできる大気圧縮による空力加熱も感知できるようになったので、目標のどの方位からでも攻撃出来るオールアスペクト能力を持つ第3世代まで発展していて、空力加熱を追いかけて機体に直撃、又は近接信管が作動して破片効果により目標にダメージを与えるようになっている。第3世代Sidewinderの最初のタイプがAIM-9L(通称はNINE LIMA)で、空自もF-15Jの導入と同時に採用している。AIM-9Lはフォークランド紛争で英海軍のシーハリアーが使用して、命中率70%という記録を残しているが、更に弾頭を改良したAIM-9Mや、フレア等の対赤外線妨害能力を向上させる為に、赤外画像追尾方式にしたAIM-9Rが開発されて、現在の主流は-9Rである(空自はAAM-3を採用したのでAIM-9M/Rは導入していない) 射程は18.5〜19.0Km程度。米軍での次世代格闘戦ミサイルもAIM-9シリーズで、90度の首振りシーカーヘッドを持ち、専用ヘルメットサイトを使うと真横に向かっても発射可能なAIM-9X(Sidewinder 2000)を開発中

酸素マスク   さんそ・ますく  Oxygen Mask 

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空自で使用している酸素マスクはMO-15という型式で、マイクを内蔵したデマンド型。元々は米空軍が80年代から使用しているMBU-12/Pを国産化したもので、従来のものに比べてマスクの張り出しが小さくなっていて、視界を妨げないように改良されている。

ジー   じー  G 

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重力加速度の単位で「Gravity」の頭文字からつけたもの。重力加速度とは物体が地球上で下向きにかかる加速度のことで、これにより物体には重さがある。加速度、重力加速度を最初に発見したのはガリレオなのは有名で、測定する場所によって値が僅かながら異なるが、1901年から国際標準として値は980.665cm/sec2(通常の計算であれば9.8m/sec2)と決められている(ちなみに東京では9.798m/sec2となる)
物体が運動すると荷重(力)がかかり、これをGとして表している。例えば、2Gになるとその物体には重量の2倍の荷重がかかることになる。戦闘機のように高速で急激な機動を行うと遠心力などで高いGがかかる。機体の方は丈夫に作ることは出来ることで対処できるが、操縦する人間には9Gくらいが限度である。どのくらいのGまで人間が耐えられるか?は個々で異なるが、一般的に小柄な人や、男性より女性の方が高いGに強いと言われている。

※重さ、重量、質量、引力、加速度、重力加速度、速度、速さ、etc、etc・・・Gという単語一つをとっても、正確に記述しようと思うと様々な概念が絡み合ってきます。これ以上は「ファントム大事典」の趣旨と離れますので、興味のある人(いない?(^_^;))はそっち系のサイトで調べてみてくださいませm(__)m。

Jet Engine   じぇっと・えんじん  Jet Engine 

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ジェットとはラテン語の「jacere(投げる)」を語源とする言葉で「噴出」「噴射」「噴流」を意味する。エンジンはラテン語のin(中に)とgignere(産む)を合成した「発動機」を意味する言葉だが、元々はギリシア語のgenesis(起源・源)から来ている。1930年にイギリス空軍の士官だったホイットルという人物が遠心式ジェットエンジンの特許申請をしているが、ほぼ同時期にドイツのハンス・フォン・オハインという技師が軸流式ジェットエンジンの開発を行なっている。
ジェットエンジンの仕組みは前側から空気を圧縮するコンプレッサー部、圧縮した空気中に燃料を噴射して燃焼させる燃焼器部、燃焼した高速排気をタービン・ローターで受けて軸を通して圧縮機を回転させるタービン部に大別でき、この排気の反動を利用して推進力を得ている。一般的に排気温度が高い方が大きい推進力を得ることが出来るが、タービン部の損耗が激しくなる。そこで、タービン部を通過した後の排気に再び燃料を混入するとことで大きな推力を得る仕組みがアフターバーナーとなる。
最初のジェット機は第2次大戦直前の1939年8月24日、ドイツのハインケルHe178が初飛行を行っているが、実用機としては戦闘機メッサーシュミットMe262シュツルムフォーゲルが最初で、試作機の初飛行は1942年7月であった。

支援戦闘飛行隊   しえん・せんとう・ひこうたい  Fighter Supporter Squadron 

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F-1、F-2やF-4EJ改の戦闘機を運用し、地上部隊への近接航空支援や侵攻し ようとする艦船への攻撃を主任務とするほか対領空侵犯措置も行う部隊で、 日本近海の戦略上で重要な海峡を守るため、三沢の第3飛行隊と第8飛行隊 が宗谷海峡・津軽海峡を睨み、築城の第6飛行隊が対馬海峡を睨んでの配置 となっている。また要撃戦闘飛行隊F-4EJ改にも対地・対艦攻撃の任務は 付加されている。 本来は耐用年数を迎えるF-1の後継機にF-2が配備される予定だったが、開発 が遅れたことから機種転換に不都合が生じ、要撃戦闘飛行隊の1個を転用す ることとなり、リタイヤが進む第8飛行隊のF-1の代わりに第306飛行隊から F-4EJ改を移動させて機種転換して穴埋めを行い、足りなくなったF-4EJ改の 代わりにF-15Jを増やして第306飛行隊に配備された。2001年4月にようやく 第3飛行隊がF-2装備の飛行隊として稼働し始め、次いで第6飛行隊は2004 年、第8飛行隊は2006年に機種転換を行う予定となっている。

シャーク・ティース   しゃーく・てぃーす  shark teeth 

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戦競などで自衛隊のF-4にも機首に歯(teeth)を剥き出しにした鮫口をデザインしたイラストを描く場合があり、勇ましさと獲物(目標)に食らい付いたら離さないという意味が込められているようだ?

射出座席   しゃしゅつ・ざせき   

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F-4の座席は英マーティン・ベイカー製のMk-H7で、乗り込む時に座席の高さを調整できるようになっていて、調整を忘れるとキャノピーを閉めるときに頭がぶつかるから気を付けよう! 緊急脱出時には座席上部のフェイスカーテン式のイジェクト・ハンドルを引くか、座席下部のイジェクト・ハンドルを引く2つの方法があり、空自では比較的操作に要する力が少なくて済み、射出時に背伸び姿勢をとりやすい(姿勢が悪いと射出時の高Gで背骨を痛める)下部ハンドルでの操作を基本としている。作動はキャノピーを火薬で吹き飛ばしてから座席をロケット噴射で打ち上げられる仕組み。射出は高度ゼロ、速度ゼロでも可能な「ゼロゼロ式」で、前後席同時射出、前後席個別射出、後席のみ射出の選択が可能(後席で選択操作)。

主脚   しゅきゃく   

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F-4の主脚は着艦(着陸)重量17,250kgで沈下率7.2m/secに耐えられるように設計されていて、ホイールトラック(両軸の主輪中央間の距離)が5.46mもあり安定性も高い。タイヤサイズはF-4Bまでが76.2cm×19.6cmだったが、F-4C以降は76.2cm×29.2cmの大型になり、収容のため主翼上面に膨らみが設けられた。空軍型にはアンチスキッド・ブレーキが装備されている。

主要諸元   しゅよう・しょげん  Spec 

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防衛庁がF-4EJの実用試験を終えてから公表した主要諸元は、

全長19.2m
全幅11.71m
全高4.98m
主翼面積49.24m2
搭載燃料1,855gal(胴体1,225gal、翼内630gal)
空虚重量30,073lb(約13.7t)
全備重量57,400lb(約26.3t)
最大離陸重量611,000lb(約28.0t)
最大速度/高度M2.2/36,089ft
巡航速度/高度M0.88/35,000ft
海面上昇率49,500ft/min
実用上昇限度57,900ft(約17,000m)
航続距離1,600nm(約2,960km)
離陸距離3,450ft(1,052m)
着陸距離2,500ft(762m)
エンジン最大推力(A/B使用時)17,900lb(約8.12t)×2
ミリタリー推力11,800lb(約5.38t)×2

主翼   しゅよく   

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クリップド・デルタ形で全幅11.71mあり翼面積は49.24uとなっている。前縁52度の後退角があり、25%コードで45度となっている。外翼は横安定を向上のため12度の上反角が付けており、90度上方に折り畳み可能(海軍型は油圧作動)でこの時の幅は8.41mとなっている。

ジュラルミン   じゅらるみん   

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早い時期から飛行船や航空機に使われたアルミ、銅、マグネシウム、マンガンの合金で、最初に生産を始めた工場の名からジュラルミンと呼ばれている。現在はアルミとリチウムの合金が主流になっていくようである。

衝撃波   しょうげき・は  sonic wave 

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音が聞こえるのは空気の微妙な圧力や密度の変化によるものだが、音が爆発 的に圧力変化する現象を衝撃波という。飛行機が音速に近くなると空気力の 変化で、機首や機尾から漏斗状に衝撃波を発生して、飛行機と共に進行して いく。この衝撃波が通過する時に爆発音に似たような音が聞こえてる事があ り、この時の状況をソニックブーム(sonic boom)と呼ぶ。衝撃波のエネル ギーは機体から離れると小さくなるのだが、降下中に衝撃波を発生させるよ うな速度に達してしまうと、機体が上昇しても衝撃波は地上に直進してしま うので、爆発音が聞こえたりガラスを割るような事態になってしまう。 以前、航空自衛隊でも築城基地付近の民家の窓ガラスが突然割れる事が問題 になったが、これは訓練していた第304飛行隊のF-4EJが発生させた 衝撃波によるものとされた。

シリアルナンバー   しりあるなんばー  serial number 

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製造番号のことだが米海軍、米空軍、自衛隊向けではそれぞれ表記方法が異 なる。米海軍は6桁の数字で米空軍と空自は2+4の6桁表示である。日本以 外に輸出された機体には米軍から繋がる番号も与えられているが、空自は例 外で独自のシリアルのみである。 空自シリアルの6桁のうち、上1桁は機体領収年度(西暦の下一桁)、2桁 目は機種固有番号でF-4の場合は「7」。ハイフンを挟んで3桁目は用途 別を表して戦闘機は「8」で偵察機は「6」。残り3桁は機体固有番号とな りF-4EJF-4EJ改RF-4EJも含む)の場合は「301」から「440」まで、RF-4Eの場合は「901」から「914」となる。 垂直尾翼に書かれるシリアルナンバーの文字サイズは203mm×406mm、文字の 太さと文字間隔は51mm、ハイフンの長さは102mmと規定されていた。

垂直尾翼   すいちょく・びよく   

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F-4はマッハ2級の超音速戦闘機であるから、方向安定性を保つには大きな垂直尾翼が必要になり、高迎え角飛行にも対応できるよう背の高い尾翼が望ましいが、元々は空母艦載機として設計されているため、母艦格納を前提として高さを押さえられいるから全高で5.01m(尾翼自体の高さは約1.9m)、垂直尾翼面積を増やすために前方にせり出した形となり広さは6.27uである。垂直尾翼付け根部には胴体後部下面の冷却用エアインレットがあり、上部にはUHFアンテナを収容するためFRPで作られている部分がある。

水平尾翼   すいへい・びよく  horizontal tail 

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F-4の水平尾翼は取り付け位置が主翼より上にあり、そのままでは主翼の洗 流域に入るとピッチアップ(機首上げモーメント)を起こすので、これを防 止するため下反角23度(設計時は15度)が付いていおり、排気のあたる内側 はチタニウム製となっている。作動は左右一体の全遊動式(スタビレータ ー) E型から機首にバルカン砲を積んだのでトップヘビーになった分、上げ舵気 味に補正するため前縁に逆スラットが付けられている。海軍のS型からも尾 翼にスラットを装備したが、こちらは機体重量増加に伴って付けられた。 なお、下反角がきつい為、ここから落ちた整備員は数しれず・・・・

ステンシル   すてんしる  stencil 

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ステンシルとは本来は印刷等に用いられる型紙のことを言う。F-4等の軍用機には機体の表面に整備・点検のためにパネル・ナンバーや給油口、アース位置を示すサービス・マークを付けたり、機体取り扱いの注意書きを書いてある。これには機体塗装の上に型紙を使った吹き付けペイントで書かれたことから、こうしたマークや注意書きの事を指してステンシルと言う場合がある。F-4の場合は文字の書体からも判るように型紙を使って吹き付けペイントされたものではなく、転写によるマーキングで機体に注意書き等が書かれているし、部隊マークには熱転写マークのようなシルクスクリーン印刷の1種を使っているようだ。(シルクスクリーンは型紙印刷から発展したもの)

スパロー   すぱろー   

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空対空ミサイルAIM-7名称。セミアクティブレーダー誘導式で、空自ではF-4EJの導入と共に採用された。この誘導方式は発射母機の出すレーダー波で目標から帰ってくる電波を捉えるもので、途中で電子妨害を受けた場合は、その時点でのデータを基に前進し、再び誘導波を感知したらコース修正を行う。当初はAIM-7Eというタイプだったが、F-15Jの導入とともにパルスレーダーでも誘導出来るAIM-7Fが配備され、EJ改も同様にAIM-7Fや発達型のAIM-7Mを搭載できるようになった。射程はAIM-7Eで44Km以上でAIM-7F以降は55Km以上になっている。(編注:スパローとはスズメのこと。何故にすずめ?(^_^;))

スピードブレーキ   すぴーど・ぶれーき   

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元々は急降下爆撃機がダイブで制限速度を越えないようにするために開発されたが、現在では着陸時に使う空気抵抗を利用した減速装置として定着している。作動時に機体姿勢に変化がないよう工夫されていて、F-4は古い形式のスプリット型で主翼下に位置している。スピードブレーキをエアーブレーキと称する場合もある。
画像は、スピードブレーキ展開中のF-4EJ改。(Photo by Saitoh '04岐阜航空祭にて)

スプーク   すぷーく  spook 

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F-4は軍用機としては珍しくマスコット的なマンガのキャラクターを持って いて、そのマスコットの名前が「スプーク」。マンガのイメージでは幽霊よ りも黒魔法使い(wizard)に近いが、ファントムと同じく幽霊とかお化けと いった意味の単語でもある。マスコットの日本語での通称は「ファントム・ オジサン」又は「ファントム・オヤジ」と呼ばれる。

迷彩   すぷりったー  spliter camouflage 

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80戦競で301SQが使用した迷彩塗装の一種で、飛行隊内部では新撰組と呼ば れていた。スプリット(split)とは「割る」「裂く」という意味で、機体 に濃淡のある近似色で斜線や折れ線を描くことで可視空戦機動で、相手方に 自機の機動方向を錯覚させる効果があると言われている。このあたりは発見 されにくさを狙った制空迷彩(カウンター・シェイド)とは異なっている。 有名なものでは70年代に登場したピーター・フェリスがF-14に合わせてデザ インしたスプリット迷彩で、作者の名をとってフェリス・カモフラージュと 呼ばれて、これに類似した迷彩はフェリス風スプリッター迷彩と言われた が、効果が少ないとされ正式に採用されてはいない。81〜84年の戦競では 306SQがスプリッター迷彩を採用していた。

スポイラ   すぽいら   

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翼上の揚力を阻害して部分的に揚力を減らす装置で、F-4でも横操縦に使われるが、スポイラのみの操作では高度低下を招くのでエルロンと併用してそれそれの効果を補う仕組みになっている。

スラット   すらっと   

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F-4Fから機動性を向上させる目的で主翼前縁にスラットを設けた(前縁フラップBLCは廃止) 米空軍もこれにならってE型・G型にスラットを装備し、米海軍もS型に装備したが断面形状は空軍型とは異なる。内翼はせり出し式だが外翼は固定式のため空気抵抗が増して速度・加速度性能が低下する。このため緊急発進しての敵を出来るだけ領空に近づけさずに要撃するには不利となるため、航空自衛隊のEJやEJ改には装備しなかった。

成層圏  
NEW!!06/11/11
せいそう・けん  stratos phere 

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地球の大気中で最下層にある対流圏(高度0km〜17km程度)の上にある空気層(高度17km〜50km程度)で、1902年にフランスのテースラン・ド・ボールによって行われた気球観測で発見された。地表の影響で空気の流れがあって様々な気象現象を作り出す対流圏とは異なり、空気密度が地表の 1/15〜1/20程度で水蒸気が少なく雲などは発生しないほぼ安定した大気層ではあるが、対流は存在している。特に高度20km付近の対流は非常に穏やかであるようだ。空気密度が少ない事は空気抵抗が少ない事を意味し、対流も安定していることから、ジェット機は成層圏において最も速く飛ぶことができる。
また、紫外線を吸収するオゾン層も成層圏にあり、地上の生命を紫外線から守ってくれている。

製造メーカー   せいぞう・めーかー   

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F-4EJライセンス生産により127機が日本国内で製造されている。主契約は三菱重工となり、細部については分担して製造の受け持つことで多くの企業が参加している。主な製造メーカーは、主翼・尾翼と後部胴体は川崎重工。エンジンは石川島播磨重工。レーダーは三菱電機。慣性航法装置光学照準器は東芝。姿勢・方位基準装置や姿勢指示機は関東航空計器。エア・データ・コンピューターは島津製作所。データ・リンク装置は日立製作所。バルカン砲は日本特殊金属。レーダー源探知警戒装置はトキメックなどがあり、三菱重工が前・中央部胴体の製造と最終組立を行っていた。

整備補給群   せいび・ほきゅう・ぐん   

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航空団内の航空機、車両、装備品等の部品、検査、修理を行うための総括管理を業務としており、群本部を始めとして検査隊、装備隊、修理隊、車器隊、補給隊から構成されている。航空団では隊員の半数近くが所属する大所帯。

赤外線   せきがいせん  Infra-Red 

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赤外線は可視光線より波長が長い760nm〜1mmの波長の電磁波で、生体に照射されると組織深部に達して吸収されて熱となることから「熱線」とも言われる。赤外線は温度をもつ物体すべてから、その温度に応じた波長分布で自然に放射される特長があり、これを応用すると物体を関知する焦電型赤外線センサーや、赤外線を電気信号に変換する量子型赤外線センサー等に利用できる。
この赤外線を大量に放射するものを検知し、追尾するのがAIM-9L等の赤外線誘導ミサイル。

赤外線偵察装置   せきがいせん・ていさつ・そうち   

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赤外線偵察とは平たく言うと熱源探知である。これによる偵察では光学的なカモフラージュに誤魔化されることなく、稼働しているエンジンや電子機器等を熱源として夜間でも感知できるが、雲や霧のような気象条件下では能力を発揮できない。RF-4EにはAAS-18DLIRという赤外線による偵察装置を搭載しており、軍用目的以外に火山の活動状況(地熱状況)の把握等を行い、情報を提供するなど民生協力にも貢献している。

セミアクティブ・ホーミング   せみあくてぃぶ・ほーみんぐ   

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目標が視認できる以前に攻撃を行う方法として、自機が発信するレーダーで 目標を捕らえ、跳ね返ってくるレーダー波を辿って目標を追尾するセミアク ティブ・ホーミング(semi active homing)がある。高機動で目標を追跡 しなくても良いが、命中まではレーダーで捕捉しておく必要がある。撃ちっ ぱなしが出来ないから同時に複数目標を攻撃できないが(湾岸戦争ではAIM- 7Fで同時に2目標を撃墜した記録はある)、レーダー波の送信アンテナと受 信アンテナが別方向にあるバイスタティック・レーダー(bistatic radar)と同様の原理なので、レーダー波を元方向への反射を軽減させる方 式のステルス機にも有効ではないかとされ、再び注目されている。 航空自衛隊ではF−4EJ導入と共にパルスレーダーで誘導できる空対空ミ サイルを使用できるようになり、74年からAIM-7EスパローAIM-7C以降は スパローVと呼ばれる)を導入した。F−4EJ改への改修計画が決まると レーダーはパルス・ドップラー式になるので、ドップラーレーダーでも使用 できるAIM-7Fを採用することになり、EJ改を試作中だった84年から運用 試験を行っており、F-15Jの採用と共にAIM-7Fを導入しているが、現在は- 7Fを改良したAIM-7Mを装備している。

戦技競技会   せんぎ・きょうぎかい   

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略して戦競。60年から始まった競技会で、要撃部隊には各飛行隊から代表を選出してのFI部門があり、ダートへのガン射撃、対戦闘機戦闘(ACM)、組織戦闘(仮想敵の戦爆連合を要撃部隊、対空ミサイル部隊等で迎え撃つ)があり、地上支援部隊も各飛行隊からの代表でFS部門として射爆場を使っての攻撃精度を競う。FI部門の内容は毎年異なっており、開催空域によって集まる基地も変わる。
戦技競技会の目的は戦闘機パイロットの技量向上もあるが、基本は要撃作戦そのものを如何に効率良く指揮できるか? 各種の作戦機の運用はどうあるべきか?を研究し、スムーズな連携プレーによってどれだけ短時間で目的を達成できるかが重要となる。

※写真は、応援を受けて競技に出撃する第8飛行隊のF-4EJ改

79年 ACM 301SQ
80年 DACT 301SQ
81年 組織戦闘 303SQ
82年 援護戦闘 303SQ
組織戦闘 303SQ
83年 援護戦闘 306SQ
組織戦闘 303SQ
84年 水上標的爆撃
偵察機要撃
85年 組織戦闘 302SQ
86年 射撃大会 305SQ
87年 射撃大会 304SQ
88年 射撃大会 302SQ
89年 天候不良により中止
90年 射撃大会 305SQ
91年 なし
92年 組織戦闘 305SQ(F-4EJ)
301SQ(F-4EJ改)
93年 なし
94年 組織戦闘 306SQ
95年 射撃大会 306SQ
96年 組織戦闘 306SQ
97年 要撃戦闘 302SQ
98年 要撃戦闘 302SQ
99年 要撃戦闘 301SQ
00年 要撃戦闘 301SQ
01年 要撃戦闘 302SQ

前脚   ぜんきゃく   

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48cm×18cmのダブルタイヤを持ちステアリング機構付き。海軍型はオレオに伸縮機構があり51cmまで上げることが出来る(英海軍向けK型は102cm)Eタイプの前脚には着陸灯が付いており、付け根部分のギアカバーには滑走灯が内蔵されるように付いている。

戦術偵察ポッド   せんじゅつ・ていさつ・ぽっど   

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TAC POD(TACtical POD:タック・ポッド)と呼ばれるRF-4EJも使用する写真及び赤外線偵察用のポッドで、前方や垂直にカメラを取り付けており目標上空を通過して敵情の詳細を偵察する事が出来きる。通過する高度が高い方が広範囲に偵察できるが、敵の対空攻撃を避ける必要から一般的に70〜300mの高度とされる。カバーのように見えるモノは、ノーズギアからの石や泥がカメラの窓につかないようにしているモノ。

戦術電子偵察ポッド   せんじゅつ・でんし・ていさつ・ぽっど   

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電子偵察とはレーダー波等の非通信系の信号を扱う電子情報収集(ELINT)、通信傍受を基本とする通信情報収集(COMINT)、通信を含めた信号の発信源探知等を行う信号情報収集(SIGINT)等があり、要するに味方以外が使う電波情報を収集・記録・分析すること。これらのデータは電子戦の基礎となる。空自のRF-4EJにはTACER POD(TACtital Electronic Reconnaissance)と呼ばれる電子偵察ポッドを装備できるが、内容的にはELINTかSIGINTの電子偵察に使われると思われる。

センターライン・タンク   せんたーらいん・たんく   

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胴体下に装着可能なセンタータンクは600ガロン(約2,270リットル)の燃料が搭載でき、75%以上の残燃料がある場合で+3G、-0GのG制限があり、75%未満で+5G、-0Gとなる。現在は、高機動に耐えられるように高いGに対応できるセンタータンクに換えられてきて、これとは別にハイGタンクと呼ばれている。

側方監視レーダー   そくほう・かんし・れーだー   

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RF-4Eに搭載されている側方偵察用レーダーの形式はAPQ-102SLARという。RF-4Eを導入した当初、自衛隊はこの装置に期待するものが大きかったが、精度はあまり高くないのと単独での利用や判別方法が難しく、メーカーから技術者を呼んで講習会を開いたそうである。一応は他のセンサー情報との合同利用等で活用範囲が広がるし、何と言っても全天候で使える利点がある。側方監視レーダーが活躍したのは米空軍の地表警戒管制機E-8Aで、湾岸戦争の時、毎夜イラク軍の装甲車両の動向を広範囲に監視して、味方地上軍に情報を提供していた。